ポジショントレードとは?
FXトレードには、3種類のトレードがあり、以下の3種類に分かれている。
- 「1日に何度も取引を行うスキャルピング」
- 「1日に数度の取引きとなるデイトレード」
- 「1週間に1~2度のトレード(それ以上長くなるケースもある)となるスイングトレード」
この3種類の中では、スイングトレードが最もポジションを保有する期間が長い。
しかしながらスイングトレード以上に長くポジションを持つ、ポジショントレードと呼ばれるトレード方法も存在する。
なのでポジショントレードは第4のトレード方法と言うべき存在である。
ポジショントレードは、数週間~数か月(場合によっては数年間)という長期に渡りポジションを保有し売買を行う方法。
よって年の取引回数は数回程度となることもよくある。
なので長期に渡りポジションを保有するポジショントレードは、日々の値動きを気にすることなく、のんびりできるトレード。
ポジショントレードの手法とは?
チャートのダマシが多いと言われる為替市場だが、ポジショントレードで見る日足・週足・月足レベルまで時間軸を長くすると、チャート上のダマシは少なくなる。
よってチャートの値動きに従って、素直な売買スタイルを取ることが出来るようになる。
チャートの観点から言えば、ポジショントレードで取りうるトレード手法は下記の4種類。
- トレンド方向に対する戻り・押し目狙い
- トレンド方向に対するブレイク
- レンジ相場におけるサポート&レジスンタンスの逆張り
- レンジ相場からトレンド相場に向かうブレイク
時間軸が上がることで素直な値動きのチャートとなる傾向にある為替市場において、ポジショントレードでは上記4種類は短期トレードの際に比べ、有効に機能するケースが多くなる。
この中では1と2は、足元の相場がトレンド状態となっているかの判断が最重要視される。
相場は階段状に進むというダウ理論を用いたトレンド認識や、移動平均線を用いたトレンド認識などでトレンド認識を行った上で、1と2の手法を採用する必要があるのだ。
また3と4は足元の相場がレンジ相場である、という判断を行う必要がある。
トレンド認識やレンジ相場の反転いずれも、トレンドラインを引くことがその理解の助けとなる。
また、日足以上の時間足となるとローソク足のヒゲも少なくなり、トレンドラインも有効に機能するケースが増える。
足元の相場状態を判定する際は、トレンドラインを引きながら行うと、適格な判断を下せるケースが多い。
上述のように素直な値動きを見せるチャートでの取引となるポジショントレードですが、ファンダメンタル情報の把握が勝利のためには必要。
ポジショントレードに適した通貨ペア
上述のように素直な値動きを見せるチャートでの取引となるポジショントレードですが、ファンダメンタル情報の把握が勝利のためには必要。
よってポジショントレードを行う際は、ファンダメンタル情報の把握を行いやすい通貨を選択する必要がある。
代表的な通貨ペアとしてはUSD/JPYとEUR/USDがあげられる。
日本ではUSD/JPYはFXトレードで最も利用されている通貨ペアであり、米国のファンダメンタル情報及び日本のファンダメンタル情報は容易に日本語で手にすることができる。
アメリカのファンダメンタル情報は、FRB(連邦準備制度理事会、米国の中央銀行に該当する組織)のサイトなどからも入手でき、機関投資家がファンダメンタル重視のトレードを行う場合、FRBサイトでファンダメンタル情報の分析を行うのもFXをする上で必須行動。
有益情報を発信しているtwitterを紹介している記事はこちら
EUR/USDは、世界最大の取引量を誇る通貨ペアそのため値動きが素直となる場合が多い。
よって流通量の観点、値動きの観点からEUR/USDもポジショントレードの対象先として優れた存在である。
ポジショントレードの見るべき時間足は?
ポジショントレードで見るべき時間足は、以下の3つ
- 日足
- 週足
- 月足
3種類のチャートで方向性やサポート&レジスタンスを確認した上で、エントリー方向の決定及びエントリーすべきかどうかを判断。
日足が確定してからのエントリーで十分対応可能だが、よりエントリータイミングを見極めたい場合は、エントリー判断専用に1時間足や4時間足を見ることも可能。
最も簡単なケースは3種類のいずれも、同じ方向にトレンド相場が継続しているケース。
その場合は、日足の押し目若しくはブレイクでエントリーが可能となる。
ポジショントレードに限らないが、短期・中期・長期の時間軸のチャートを分析するマルチタイムフレーム分析を行うことで、相場の環境認識の精度は上がる。
ポジショントレードを行う際の注意点
ポジショントレードを行う際の注意点は、以下の3つ。
- 損切する地点を決める
- レバレッジや証拠金に注意する
- スワップポイント
1つずつ解説していこう。
損切する地点を決める
ポジショントレードであっても損切は、トレードで生き抜く上で必要不可欠。
そしてポジショントレードで損切は100pips以上と深くなってしまう。
深い損切はどうしても人間ためらうことになる。損切のハードルとしては、少ないpipsでの損切より、長いpipsでの損切のほうが、心理的ハードルが高くなる。
この心理的問題は特に初心者の決断を鈍くするが、大きな損失を防ぎ利益を増やすためにはこの作業は必ず必要になってくるので必ず決めておく事。
レバレッジや証拠金に注意する
損切が深くなるポジショントレードでは、ポジションを維持するための証拠金が短い足でのトレード以上に必要となる。
スキャルピングやデイトレードの場合、余程レバレッジを上げない限りポジションを維持するための証拠金不足となるケースは少ない。
しかし損切幅が深くなるポジショントレードでは、レバレッジや必要証拠金の計算無しでトレードを行うと、損切注文に掛かる前に証拠金不足でポジションが強制解除された、というケースが発生する。
ポジショントレードを行う場合は、投資資金と損切幅を考え適正な取引通貨量を事前に把握した上でのトレードが、他の取引方法以上に求められるだろう。
スワップポイント
FXトレードではポジションを持ったままで日をまたぐと、金利に相当するスワップポイントが発生して、ポジションによってプラスとなるケース、マイナスとなるケースの両者がある。
プラスのスワップポイントは、ポジショントレードを行う際の大きな得点ですが、マイナスのスワップポイントはマイナス要因。
最終的に利益確定でプラスとなるトレードであればまだしも、スワップ金利を支払いながら持っていたポジションが損切になると、金額面のみならず精神的なダメージも大きくなる。
よって余程自信のあるトレードを除けば、可能な限りマイナススワップの付くポジションを持つのは避けることが得策となる。
スイングトレードまでであれば、それほど気にならないスワップ金利も、超長期でポジションも持つポジショントレードではかなりの金額となる。