FX[一目均衡表]の基本

一目均衡表とは?

日本で生まれたテクニカル分析といえばローソク足が有名だが、それ以外にも世界的に知られているものがある。

それが、日本発のテクニカル指標である一目均衡表。

海外の投資家からは「Ichimoku」として知られている一目均衡表は、表示が独特で複雑に見えることから、初心者トレーダーにとっては難しいイメージがあるだろう。そのため、そもそも一目均衡表を避ける人も少なくない。

しかし、一目均衡表は、使い方さえ覚えれば非常に分かりやすいため、根強いファンのいるテクニカル指標でもある。

一目均衡表の特徴

一目均衡表は、「時間論」、「波動論」、「値幅観測論(水準論)」の3つからなる三大理論を特徴としている。

この三大理論をひとつずつ解説していこう。

時間論

時間論は、基本数値という考え方をベースに相場の転換ポイントを考える。

一目均衡表では、9、17、26の数字をベースに考えていく。9、17、26という数字の並びだが、9以降の数字を見てみると、9×2-1=17、9×3-1=26という形になっていることが分かるだろう。

どうして9から1を引くのかというと、9日上昇した後9日下げた場合、最初から数えて9日目の高値の日と、その後9日間の下降トレンドのスタート日が重なるため、この重複分を1として引いている。

一目均衡表では基本的に、9日、17日、26日のサイクルで相場が変化すると考えられている。

なお、一目均衡表には、基本数値のほかに対等数値と呼ばれる考え方がある。

対等数値は、基本数値にはとらわれない間隔で、過去のサイクルが繰り返されるという考え方。

波動論

波動論は、基本の3つの波動についての考え方を示したもの。

波動論では、「I波動」、「V波動」、「N波動」という3つの基本の波動がある。

上昇だけ、下降だけの一方向だけの動きとなっているのがI波動。

下降から上昇、あるいは上昇から下降の動きとなっているのがV波動。そして、上昇して下降した後、再び上昇する動き、あるいは、下降して上昇した後、再び下降する動きがN波動。つまり、I波動とV波動を合わせたものがN波動である。

値幅観測論

値幅観測論は、過去の値幅を基に、今後の相場の高値や安値を見通す、というもので、相場が上昇した時の値幅と相場が下降した時の値幅を予測するための方法。

値幅観測論は目標値を計算するための理論で、代表的な目標値には、V計算値、N計算値、E計算値、NT計算値の4つがある。

A、B、C、Dの4つのレートがあり、レート大きさが、A<C<B<Dであれば、V計算値はD=B+(B-C)、N計算値はD=C+(B-A)、E計算値はD=B+(B-A)、NT計算値はD=C+(C-A)で表される。

一目均衡表を構成するもの

一目均衡表は、他のテクニカル指標に比べて多くの線が表示され、網掛けされたような色のついた部分があるなど、非常に分かりづらく、とっつきにくい印象を受けてしまうだろう。

表示される情報量の多さから、他のテクニカル指標よりも複雑で分かりにくいように思うだろうが、ここで表示されているものが何なのかを知れば、さほど複雑ではない。

一目均衡表は5つの線と雲で表される。5つの線は、基準線、転換線、遅行線、先行スパン1、先行スパン2の5種類からになる。

ひとつずつ解説していこう。

基準線

基準線とは、(過去26日間の高値+過去26日間の安値)÷2(※高値も安値も当日を含む)で算出された数値を結んだ線で、緩やかに上昇・下降するのが特徴。

上昇トレンドの時、基準線は転換線の下にあり、下降トレンドの時、基準線は転換線の上にある。

なお、基準線は中期のトレンド、中期の相場水準、中期の均衡点を表している。

従って、基準線よりも上にローソク足があれば、上昇トレンドということになり、また、基準線より下にローソク足があれば下降トレンドということになる。

転換線

転換線は、基準線に比べて短い期間の高値と安値の平均を結んだ線で、過去9日間の高値+過去9日間の安値)÷2(※高値も安値も当日を含む)で算出される。

上昇トレンドの時、基準線は転換線は基準線の上にあり、下降トレンドの時、転換線は基準線の下にある。

転換線は、短期のトレンド、短期の相場水準、短期の均衡点を表している。従って、転換線よりも上にローソク足があれば、上昇トレンドということになる。また、転換線より下にローソク足があれば下降トレンドということになる。

遅行線

遅行線は、過去と現在の値動きとを比較するための線、終値を26日前にずらしたものを結んでいる。

遅行線がローソク足より上にあれば強気相場、下にあれば弱気相場と判断する。

先行スパン1

先行スパン1は、(転換値+基準値)÷2で算出した値を、本日を含めて26日先に描いたもの。つまり、未来のレートの動向を表している。

先行スパン2

先行スパン2は、(転換値+基準値)÷2で算出した値を、本日を含めて52日先に描いたもの。

先行スパン1よりもさらに未来のレートの動向を表しており、先行スパン1よりも長期的なトレンドを示している。

先行スパン1と比較すると、レートの動きとは異なった動きを見せるのが特徴。

雲は、先行スパン1と先行スパン2の間の領域のことを示す。雲は、抵抗帯であると考えられており、ローソク足が雲の上にある時は強気相場、株価が雲の下にある時は弱気相場ということを意味している。

抵抗が強ければ強いほど、雲の厚さは厚くなり、雲を抜けると抵抗は弱くなる。また、雲がねじれているところもあり、雲のねじれはトレンドの転換を示している。

ただし、トレンド転換は、ねじれが描かれている箇所の日にちで起こるわけではない。なぜなら、雲は未来の場所に描かれるからだ。

つまり、今、このタイミングで一目均衡表を開くとすると、まだ、ローソク足も何もない、26日先の場所に雲が新たに描かれる。要するに、雲のねじれに関しては、ねじれが発生した日にトレンド転換が起こったということを意味しているのだ。

つまり、ねじれが描かれている箇所の日にちではなく、ねじれが描かれている箇所の日にちから26日前にトレンドの転換があったということを意味していることに注意が必要。

一目均衡表の売買ポイント

一目均衡表も、他のテクニカル指標同様、売買ポイントを示すシグナルがある。ここでは、一目均衡表の売買シグナルを紹介する。

シグナルを覚えておくことで、より一目均衡表を使いこなせるようになるので、しっかりチェックしておく事。

基準線と転換線の位置を確認する

基準線より転換線の方が上にあれば上昇トレンド、基準線よりも転換線が下にあれば下降トレンドを意味している。

転換線が基準線を下から上に抜けるゴールデンクロスは、買いシグナルとなる。

一方、転換線が基準線を上から下に抜けるデッドクロスは、売りシグナルとなる。

遅行線とローソク足を確認する

遅行線とローソク足の関係からも、売りと買いのタイミングを計ることが可能。

遅行線がローソク足より上にあれば上昇トレンド、遅行線がローソク足より下にあれば下降トレンドを意味している。

また、遅行線がローソク足を下から上に抜ける時は買いサイン、遅行線がローソク足を上から下に抜ける時は売りサインであることを意味している。