[2021/3/17]FX最新情報

【市場概況】東京為替見通し=ドル円、日本の2月対米貿易黒字に要注目か

16日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、予想を下回る2月米小売売上高や鉱工業生産を受けて108.77円まで軟調推移。ユーロドルは、欧州のワクチン接種状況を巡る懸念から1.1883ドルまで下落、ユーロ円も129.49円まで下落した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、日本の2月の貿易収支や対米貿易黒字を見極めた後は、明朝3時に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)声明を控えて動きづらい展開が予想される。

 バイデン米政権は、トランプ前政権のように日米貿易不均衡是正を訴えていないことから対米貿易黒字への注目度合いは低下しているものの、ドル円の需給の観点から注目したい。日本の2020年の対米貿易黒字は約5.2兆円となり、2019年の6.6兆円からは、新型コロナウイルスのパンデミックの影響で減少していた。1月の対米貿易黒字は、2020年は3702億円、今年は4152億円に増えていた。昨年2月は6267億円で、毎年2月は1月から増加傾向にあることから、6~7000億円程度への増加を念頭におき、日米貿易不均衡の現状を見極めることになる。

 米連邦準備理事会(FRB)は、2つの使命「雇用の最大化と物価の安定」に関して、完全雇用に達し、物価上昇率が2%に乗って、さらにそれを上回る流れがある程度続くまで、利上げはしないと明言している。重視している雇用情勢は、2月の失業率が6.2%と依然として高いこと、コロナ禍で依然として948万人が復職できていないこと、物価情勢も、2月のコアインフレ率が前年比+1.3%に留まっていることなどで、現状の金融政策の維持が見込まれている。
 パウエルFRB議長は、「イエレン・ダッシュボード」的な「パウエル・ダッシュボード」(黒人失業率、低賃金労働者の賃金の伸び、非大卒者の労働参加率)により、6.2%の失業率がカバーしていない職探しを諦めた数百万人の労働者などを見据えており、2023年末までのゼロ金利政策を堅持するとの見方が優勢となっている。
 注目ポイントは、現状の米10年債利回りの1.6%台までの上昇は景気回復期待やインフレ率上昇見通しを反映したものだとして容認するFRB高官が増えていることから、経済見通し(SEP)でのFF金利の見通しを示すドットチャートやテーパリング(資産購入の段階的縮小)開始の時期となる。
 タカ派的なリスクシナリオは、バイデン米政権の1兆9000億ドル規模の追加経済対策法の成立やワクチン接種の進捗(※3月15日時点で1億908万回)を受けて、早期のテーパリングや利上げが示唆された場合となる。
 ハト派的なリスクシナリオは、米10年債利回りの上昇を抑制するために、資産購入額(月1200億ドル)の増額やオペレーション・ツイストの導入が示唆された場合となる。

為替ドットコム引用